インテリアデザインには数多くのルールがあります。そのルールは、空間を美しくバランス良く見せるために、ラグのサイズからカーテンの長さまで、適切なものを選択するために役立ちます。しかし、そのルールに縛られる必要はありません。特に色という主観的な要素に関しては、もっと自由であるべきです。デザイナーがそれぞれ従う色のルールと、逆にセオリーから外れた考方を紹介します。
一つ色を決めて、濃淡をつける
一つ色を決めたら、その色の濃淡で変化をもたせると、まとまりのある空間ができます。「部屋で一つの色を決めて、その色の強弱をつけることが好きです。濃い紺色のアクセントは、淡い青灰色の壁とよく調和します」と、エイミー・ペルティエは言います。
自然からインスピレーションを受ける
ジェニファー・ハンターは、自然界で見つけた色を取り入れて、新鮮で親しみやすい色使いをします。「色に関しては、セオリーやルールを守りません」とハンターさんは言います。「私は理想的な色のパレットを想像する際に、自然や周りの環境からインスピレーションを得ることを好みます。ルールに固執すると、デザインは強制的で不自然に感じることが多いためです。」
暖色系と寒色系を混ぜる
オードリー・シェックは、「デザインはバランスの取れた空間がもっとも重要であり、バランスを取るためには暖色と寒色を混ぜるのが最善の方法だ」と述べています。「温かい色は空間を居心地の良いものにし、寒い色はより涼しく、時にはより無機質な環境を作り出すことができる。」壁、家具、アクセサリーの色合いに変化をもたせることで、立体感が生まれます。「より冷たいトーンの壁のペイントカラーを使用して、木製の床の温かさを相殺するか、温かい木製の家具の対抗として冷たいトーンを取り入れてみてください」とシェックは言います。「温かいトーンのテラコッタの容器を、冷たいトーンの花やグリーンやブルーのコーヒーテーブルの本と組み合わせてみてください。」
どんな色も基盤になりうる
自分自身で基盤の色を作ってみてください。「どんな色も、それがメインの色であれば部屋の基盤となります」とラウラ ヒルデブラントは言います。鮮やかな青や鮮やかなオレンジを選んでみてください。それが部屋のメインの色になるのか、あるいは部屋で唯一の色であるアクセントとなるのか、それはその部屋の基盤の色として読み取られます。
自分が望む色より控えめにする
もし大胆で鮮やかな色に魅了された場合、少し節度を持って、広いスペースで使える色を選んでみてください。「目指している色のペイントハンドルより控えめなバージョンを選んでください」とペルティエは言います。「色は大きなスペースに適用されると明るくなり、強まります。」
常にニュートラルな色を取り入れる
「私は常にニュートラルな色をスペースに取り入れます」とアーシャ・マクシーは言います。「ニュートラルな色はスペースに色のバランスを作り、目を休ませる場所をつくります。」スペースを安定させ、アクセントカラーに対しての土台となります。「もし壁を大胆な色や柄にするのであれば、ニュートラルな色のソファやアップホルスタードベッドにするか、よりくつろげる空間を作り出すためにムーディな色を選んで、ドレープやラグにはよりリッチなニュートラルな色を選んでください」とマクシーは言います。
小さな部屋でも暗い色を使用する
明るい色はスペースを大きく見せるとよく言われていますが、小さな部屋に濃い色を使うことで、ムーディで宝石箱のような雰囲気を出すことができます。「小さな部屋を暗く塗ったり、パターンを混ぜたりして楽しんでください」とカーリー・ブルンバーグは言います。「スペースにはあなたがそこに注ぐエネルギーが反映されますので、あまりにも堅苦しくする必要はありません。」
ペイントカラーは必ず実物を見て決める
ネットだけで色を判断するのは危険です。「色の選択は、デザイナーにとってもむずかしいものです」と、カサリン・ルーディのは言います。「私の一番のルールは、決してリモートでペイントカラーを選ばないことです。」ペイントカラーは壁や部屋の異なる場所で見る必要があります。ルーディは、色がスペースに適しているかどうかをただしく判断するために、昼夜のさまざまな時間帯で確認する必要があると言います。「私たちは、光の入り方が異なる隣接する部屋に適した色を選ぶために数日間を費やしました」とルーディは述べています。
カラーホイールを参照する
このルールはアートクラスに戻るかもしれませんが、クリスティン・フィオーレは「カラーホイールを参照することをおすすめします」と言います。 カラーセオリーは芸術と科学を融合させ、どの色が最も調和して見えるかを示してくれるはずです。より明るく、大胆なスタイルを取り入れたい場合は、補色または三色系の色を試してみてください。 類似色はカラーホイール上で隣り合っており、大きなインパクトを与えることもあります。
カラーは隣接するカラーに対して相対的
サブラ・バロンもカラーホイールを頼りにしています。 「彼の主要な理論は、個々が知覚する色は隣接する色に対して相対的であるということです。」バロンのお気に入りの色の組み合わせは、黄色と紫、青とオレンジ、赤と緑などの補色です。「これらの色の組み合わせが秘訣です」とバロンは言います。 「補色の組み合わせは、各色が他の色に対してより強調して見えます。」
60-30-10ルールに従う
多くのデザイナーが従っているルールの1つは「60-30-10」ルールです。「60%のメインカラーを決めて基盤をつくります。それから補色を30%加えます。これにより、家具やドレープに生命が吹き込まれます。残りの10%は意外性です。意外性とは、たとえば、アクセントのクッション、奇抜なアート、模様のついたランプなどです。
60-30-10ルールを破る
いっぽう、60-30-10ルールを信じていない人もいます。マクシーは言います。「どの色のルールにも縛られ過ぎずに、60-30-10ルールの比率を調整することを恐れないでください。色の捉え方は個人で異なります。だれも個々のスペースの色づかいを強制することはできません。
最初にラグを選ぶ
色を絞り込む際には、最大のアイテムから決めるとスムーズにいくことがあります。デイリーは、「大きな面積を占めるラグを選び、それを色のインスピレーションとして使用することが役立ちます」と言います。 「ラグから、壁の色、家具の生地、ウィンドウトリートメント、アクセサリーのための色が引き出されます。」
自分をインスピレーションする色を使用する
アンバーは、「どの空間にも、あなたを喜び、感情を喚起し、インスピレーションを与える色を使用してください」と言います。この1つのルールに従えば、他の何も必要ありません。